年金暮らしの多くの国民に影響・・・・4
新型コロナ「世界同時株安」最もヤバいのは「日本人の年金」の可能性
3/17(火) 6:01配信
「金融システム危機」とどう向き合うか
興味深いのはこうした発言をしたローゼングレン総裁が、昨年FRBが行った3回の利下げに全て反対票を投じてきた「タカ派」だったことだ。
最も金融緩和に反対してきた「タカ派」の代表格である地区連銀総裁が、米連邦準備法を改正してまでFRBがリスクの高い証券を購入することを提唱するということは、FRBが「経済危機」を「金融システム」から切り離すことで「金融システム危機」を回避する強い意志を持っていることの現れだと理解するべきだろう。
これまでもパウエルFRB議長は事あるごとに企業の債務は歴史的な高水準に達していること、中でも信用力の低い企業向けのレバレッジド・ローンとそれを束ねたCLO(ローン担保証券)が急速に増えてきていることに警鐘を鳴らしてきた。
それは景気悪化によって債務不履行(デフォルト)が増えればリーマン・ショックと同様の「金融システム危機」を招きかねないとの認識を持っているからである。
これまでのパウエルFRB議長の発言と今回のローゼングレン総裁の発言から想像されることは、FRBは、民間金融機関が保有するCLOをFRBが買上げることで「経済危機」を「金融システム」から切り離す計画を持っているということだ。
それは従来の経済対策や利下げの効果が実体経済に及ぶまでには「時間」が必要であり、その間にデフォルトが増え「金融システム危機」を誘発しかねないからである。
もし「金融システム危機」が起きてしまったら「経済危機」はより深刻なものになり、政策当局に為す術は無くなってしまう。
おそらく政府の経済対策と中央銀行の利下げでは「1~2週間が瀬戸際」という経済を直ちに救うことは出来ない。FRBが「経済危機」と「金融システム」を切り離すことを計画しているのは、そうしたことを認識しているからに他ならない。
「経済危機」と「金融システム」を切り離す一つの手段として考えられるのが、FRBによるCLOの購入である。FRBがCLOを購入したとしても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によってデフォルトが増加してしまえば、リーマン・ショックの時と同様にCLOの価格が急激に下落することには変わりはない。
問題はこうした事態が起きた際に誰がそのCLOの所有者であるかという点である。それは、CLOの所有者に直接その影響が及ぶからだ。
もし民間金融機関がCLOの所有者であり続けたとしたら、リーマン・ショックの時と同様に「金融システム危機」を招く可能性が高い。
しかし、CLOの所有者をFRBに変えることで経済危機と金融システムを切り離しておけば、「金融システム危機」は回避できる可能性がある。
ただし、「金融システム危機」を完全に回避そのためには、もう一つ条件を加えることが必要になる。
それは、FRBが被る損失を政府、財務省が保証するという条件を付け加えることである。なぜなら米国国債の40%前後は海外投資家が保有しており、FRBの資産の毀損自体が「米ドルの急落」と「金融システム危機」を招く要因になるからだ。
こうした事態を防ぐうえでも、FRBがCLOを購入できるようにすると同時に、損失が生じた場合には政府、財務省がその損失を補償するという米連邦準備法の改正が必要になって来るのだ。
「パンデミック・マーケット」と化してきた世界の株式市場に歯止めを掛けられるかどうかは、ゼロ金利政策と量的緩和政策の復活を決めたFRBが、さらに「信用緩和」に踏み切る意思を見せるかどうかにかかっているといっても過言ではないだろう。
次ページは:GPIF過去最大の損失20兆円?
3/17(火) 6:01配信
「金融システム危機」とどう向き合うか
興味深いのはこうした発言をしたローゼングレン総裁が、昨年FRBが行った3回の利下げに全て反対票を投じてきた「タカ派」だったことだ。
最も金融緩和に反対してきた「タカ派」の代表格である地区連銀総裁が、米連邦準備法を改正してまでFRBがリスクの高い証券を購入することを提唱するということは、FRBが「経済危機」を「金融システム」から切り離すことで「金融システム危機」を回避する強い意志を持っていることの現れだと理解するべきだろう。
これまでもパウエルFRB議長は事あるごとに企業の債務は歴史的な高水準に達していること、中でも信用力の低い企業向けのレバレッジド・ローンとそれを束ねたCLO(ローン担保証券)が急速に増えてきていることに警鐘を鳴らしてきた。
それは景気悪化によって債務不履行(デフォルト)が増えればリーマン・ショックと同様の「金融システム危機」を招きかねないとの認識を持っているからである。
これまでのパウエルFRB議長の発言と今回のローゼングレン総裁の発言から想像されることは、FRBは、民間金融機関が保有するCLOをFRBが買上げることで「経済危機」を「金融システム」から切り離す計画を持っているということだ。
それは従来の経済対策や利下げの効果が実体経済に及ぶまでには「時間」が必要であり、その間にデフォルトが増え「金融システム危機」を誘発しかねないからである。
もし「金融システム危機」が起きてしまったら「経済危機」はより深刻なものになり、政策当局に為す術は無くなってしまう。
おそらく政府の経済対策と中央銀行の利下げでは「1~2週間が瀬戸際」という経済を直ちに救うことは出来ない。FRBが「経済危機」と「金融システム」を切り離すことを計画しているのは、そうしたことを認識しているからに他ならない。
「経済危機」と「金融システム」を切り離す一つの手段として考えられるのが、FRBによるCLOの購入である。FRBがCLOを購入したとしても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によってデフォルトが増加してしまえば、リーマン・ショックの時と同様にCLOの価格が急激に下落することには変わりはない。
問題はこうした事態が起きた際に誰がそのCLOの所有者であるかという点である。それは、CLOの所有者に直接その影響が及ぶからだ。
もし民間金融機関がCLOの所有者であり続けたとしたら、リーマン・ショックの時と同様に「金融システム危機」を招く可能性が高い。
しかし、CLOの所有者をFRBに変えることで経済危機と金融システムを切り離しておけば、「金融システム危機」は回避できる可能性がある。
ただし、「金融システム危機」を完全に回避そのためには、もう一つ条件を加えることが必要になる。
それは、FRBが被る損失を政府、財務省が保証するという条件を付け加えることである。なぜなら米国国債の40%前後は海外投資家が保有しており、FRBの資産の毀損自体が「米ドルの急落」と「金融システム危機」を招く要因になるからだ。
こうした事態を防ぐうえでも、FRBがCLOを購入できるようにすると同時に、損失が生じた場合には政府、財務省がその損失を補償するという米連邦準備法の改正が必要になって来るのだ。
「パンデミック・マーケット」と化してきた世界の株式市場に歯止めを掛けられるかどうかは、ゼロ金利政策と量的緩和政策の復活を決めたFRBが、さらに「信用緩和」に踏み切る意思を見せるかどうかにかかっているといっても過言ではないだろう。
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