根尾人気で、松坂待ち・・・・セカンドでもいいよ・・・

中日・根尾「二塁転向で１軍」プラン、遊撃は京田の壁厚く…　「高いレベルで育てた方が成長早い」との見方強まる
3/15(金) 16:56配信


スター候補の根尾には１軍の舞台が似合う？
　１軍定着を前提に、コンバート案が浮上した。注目のドラフト１位ルーキー、根尾昂（あきら）内野手（１８）＝大阪桐蔭高＝が１３日の阪神とのオープン戦（ナゴヤドーム）で１軍戦デビュー。高卒新人離れした対応力、身体能力、さらにこの日２万３４６９人の観客を沸かせた人気を目の当たりにして、「２軍で鍛えるというレベルではない。１年目から１軍の高いレベルでもまれた方がいい」との見方が強まっているが、遊撃レギュラーの京田陽太内野手（２４）の壁は厚い。そこでチーム内外で二塁転向を勧める声が上がっている。（山戸英州）

　出番がめぐってきたのは７回。根尾が一塁側ベンチから遊撃の守備位置へ向かって駆け出すと、まだ場内コールもされていないのにスタンドから大歓声が湧き起こった。

　８回には先頭で初打席に立ち、本格派右腕・石崎に対し、１５０キロ超の速球を２球見逃して追い込まれ、カウント１－２から外角低めのチェンジアップを振らされて三振に倒れた。「ストライクを見逃してしまったのは大きい。もっと振っていかないといけない」と悔やんだ。

　９回の守備では、梅野のゴロをはじいたものの冷静に対処してアウトに。２死後に再びゴロをさばき、この試合２度の守備機会を無難にこなした。「準備不足でファンブルもありましたが、その後の守備は何とかできた」とさすがに落ち着いたものだ。

　１月の合同自主トレで右ふくらはぎに肉離れを起こして出遅れ、２軍キャンプは終盤まで別メニュー調整だったが、徐々に練習の強度を上げ、９日の教育リーグ・阪神戦で実戦デビュー。１２日には同リーグで初安打も記録した。

　１４日も、２軍の試合が組まれていないことから、西武とのオープン戦（ナゴヤドーム）に出場。こうなると開幕１軍の期待も高まるが、与田監督は「様子を見ながら１軍の試合を経験させるという認識でいてください」と、根尾の１軍昇格はあくまで暫定的な措置であることを強調した。

　それでも、相手の阪神の某首脳陣は「スターの雰囲気がある。プロ野球を背負うべき人材。ああいう選手はファンもわれわれも早く上（１軍）で見たいし、間違いなくやれる」と断言。

　ある中日のチーム関係者も「真面目すぎるところが少し心配だが、実力はもちろん、立居振る舞い、先を読んで行動できるところを見ても、十分１軍でやっていける。ああいう選手は早く１軍に上げて高いレベルに慣れさせた方が成長が早いでしょう」とみている。

　ただし、遊撃レギュラーは一昨年のセ・リーグ新人王で、昨季もチームでただ一人全１４３試合に出場した京田で、その壁は厚い。キャンプを視察した球団ＯＢが「守備に関しては、京田の方が３倍、４倍、いや５倍うまい」と語ったほど。

　そこで、根尾の二塁転向を勧める声がチーム内で高まっている。こちらのレギュラー候補は亀沢恭平（３０）、阿部寿樹（２９）、堂上直倫（３０）といったところで“ドングリの背比べ”。根尾は２軍で名二塁手の荒木雅博２軍内野守備走塁コーチの指導で、セカンドの練習もしている。

　古参の球団関係者には、プロ１３年目を迎えた堂上の轍を踏ませたくないとの思いもある。

　いまや押しも押されもせぬ巨人の主将、坂本勇人内野手は２００６年の高校生ドラフトでは堂上の“外れ１位”だった。

　かつて中日の球団幹部は「堂上も坂本も、もともとの実力に差はなかった。２人の運命を分けたのは出場機会。坂本は遊撃レギュラーの二岡の故障で、２年目に開幕スタメンの座をつかみ、あっという間に定着してしまった。うちはアライバ（荒木・井端コンビ）の壁が厚すぎて、堂上の付け入るすきがなかったからね」と述懐していた。

　技術、体力が１軍レベルにあるなら、さっさと１軍に上げた方が、将来へ向けても得策ということだ。

　別の中日球団関係者も「坂本のような育て方が理想。特にいまのうちは世代交代の過渡期だから、なかなか結果が出ず失敗を繰り返しても、我慢して使い続けることができる。あとは球団や首脳陣が腹をくくればいいこと」と指摘する。

　「わざわざ１軍に上げていただいて、打席にも立たせていただいたことは意義がある。しっかり次の打席につなげたい」と生真面目な性格そのままに語った根尾。球団、首脳陣、本人がそれぞれ“覚悟”を問われる。