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これは、想定外だったか・・・・・・

西日本を中心にした記録的豪雨では、水位が上昇した各地のダムで水の放流が行われた。愛媛県西予市(せいよし)から大洲市(おおずし)を経て、瀬戸内海へ流れる肱(ひじ)川のダムでも放流を実施したが、下流では川が氾濫、広範囲が冠水し複数の犠牲者がでた。安全とされる基準量の約6倍に当たる水を放流したダムもある。担当者は「予想を超えた雨量だった」と話すが、住民からは「ダムの操作は適切だったのか」と疑問の声が上がっている。

 肱川上流にある大洲市の鹿野川ダム。安全とされる放流量の基準は毎秒約600トンで、超えると家屋への浸水の可能性があるとされている。

 同市などによると、台風7号が九州に近づいた3日から基準の約600トンを上限に徐々に放流を開始。7日午前5時半には雨量が増し、上限を毎秒約850トンに引き上げた。午前7時すぎにはゲートをほぼ開いたままにせざるを得ず、午前9時ごろ、川の水が堤防を越え始め、放流量は最大毎秒約3700トンに達した。

 肱川中流に位置する市中心部などの約4600世帯に浸水。車に乗ったまま流されたり、自宅に水が流れ込んできたりして4人が死亡した。同市菅田町菅田の農業、谷岡和男さん(67)は「ダムの放流量が多過ぎたのではないか。事前にもう少し調整できたのでは」と疑問を持つ。

 一方、大洲市の担当者は「雨量が多過ぎてダムの容量を超えた。やむを得なかった」。管轄する国土交通省水管理・国土保全局の担当者も「ダムの操作は工夫していたが、想像を超えた雨量だった」と話した。

 鹿野川ダムの上流、愛媛県南部の西予市にある野村ダムでも放流が行われた。その後同市内で肱川が氾濫、逃げ遅れた5人が遺体で見つかった。

 被害が大きかった同市野村町野村では床上浸水が約570戸、床下浸水が約80戸に及んだ。「死ぬ一歩手前だった」。自宅2階に逃げたが首まで水が押し寄せ、2時間近く救助を待ち続けた同町野村の男性(73)はそう振り返る。

 国交省四国地方整備局野村ダム管理所によると、7日未明に貯水能力の8割以上に達したため、マニュアルに沿って午前6時20分、ダムに入る水量と同量の水を流す緊急放流を開始し数十分後に肱川は氾濫した。担当者は「1時間前にはサイレンや市内アナウンスでダム放流による水位上昇を知らせ、住民に避難を呼びかけた」と説明。「ダム自体があふれる恐れがあり、やむを得ない措置だった。住民への周知方法は今後検討していきたい」とした。

 北海道大大学院の山田朋人准教授(河川工学)は「ダムの容量を超えると予測される場合は、情報収集に努め、避難を早めに促すことが大切。自治体ごとに状況は違うので、河川の改修や堤防の整備など複合的な対策が必要だ」と話している。

基準量の約6倍に当たる水が放流された鹿野川ダム=9日、愛媛県大洲市




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