自営業者ら批判の声=確定申告初日、佐川国税長官に


時事通信社

2018/02/16 12:39


佐川国税庁長官の辞任を求め、抗議活動をする市民ら=16日午前、京都市上京区#57934; 時事通信社 佐川国税庁長官の辞任を求め、抗議活動をする市民ら=16日午前、京都市上京区

 確定申告の受け付けが始まった16日、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、交渉記録を「廃棄済み」とした財務省理財局長時代の国会答弁が問題視されている佐川宣寿国税庁長官に対し、自営業者らから批判の声が相次いだ。罷免を求める抗議行動も行われた。

 確定申告が必要な自営業者が多く集まる東京・北千住の商店街。文具店を営む吉田正明さん(65)は「トップが(就任会見など)公の場に出て来ないのは無神経だ。長官に就くくらい頭のいい人がそういうことをしたら各地で苦情が出ると想像できないのか」と厳しい表情。青果店店主の男性(46)は「いろいろ立場はあるだろうが、潔くない」と話した。

 確定申告のため品川税務署(港区)を訪れたフリーカメラマンの男性(42)は「森友問題で税金を払いたくないという人の気持ちはよく分かるが、だからと言って払わないわけにはいかない」とため息をついた。

 京都市の上京税務署前では集まった30人ほどが「佐川長官ヤメロ!」と書かれたプラカードなどを手にスピーカーで抗議。参加した団体職員福田香織さん(35)は「納税者には領収書を保存しろと言うのに、自分たちは廃棄して知りませんという態度は許せない。佐川長官はまず国会に出て説明してほしい」と怒りをあらわにした。 

 午後には東京や大阪など各地で抗議行動が予定されている。(了)