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老人の私でも、腹立つ・・・テレビ消すよ・・・・

「サンデーモーニング」(TBS系)に出演している野球解説者の張本勲がたびたび批判にさらされている。7月28日放送回では、高校野球の岩手大会決勝で、大船渡・佐々木朗希投手が起用されなかったことについて「投げさせたほうがいいに決まっているじゃない」などと発言した。
 大船渡高校の国保陽平監督は「故障を防ぐために登板を回避した」という趣旨のことを語っていたが、高校生史上最速の163キロの球を投げる佐々木投手を起用せずに敗れたことについて、世間では賛否両論の意見が飛び交っていた。
 張本の発言を受けて、MLB・シカゴカブスに所属するダルビッシュ有投手は、7月28日に自身のツイッターで「シェンロンが一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」と書き込んだ。現役のプロ野球選手として、前時代的な価値観に基づく主張がテレビで堂々とまかり通っていることに我慢がならなかったのだろう。
「炎上する高齢タレント」が消えない理由
 百歩譲って、元プロ野球選手だった張本が野球について自由に意見を述べること自体は理解できなくもない。だが、張本は同じ番組でほかのスポーツに関してもひたすら底の浅い素人レベルの駄言を重ねている。サッカーについていい加減なことを言った張本に対して、サッカー愛の強い加藤浩次が「スッキリ」(日本テレビ系)で「おじいちゃんの戯言」と切り捨てたこともあった。
 これ以外にも、テレビの世界には確実にこのようなタイプの高齢タレントが存在している。その中には、現役の良識ある社会人や若者からは目を背けられるような、凡庸かつ時代遅れの意見を垂れ流す人もいる。ネット上ではその発言のたびに炎上騒ぎを引き起こし、袋だたきに遭っている彼らのような人間が、テレビでは今も生き生きと活躍しているのはなぜなのか。
 その理由を一言で言えば、そんな彼らにもニーズがあるからだ。テレビには高齢タレントが必要とされている。だから彼らが滅びることはないのだ。
 高齢者のユーザーが少ないインターネットの世界では、彼らを指して「老害」という言葉がよく使われる。一方、新聞や週刊誌やテレビではその単語を目にすることはあまりない。なぜなら、それらのメディアが高齢者自身を主なターゲットにしているため、その層を敵に回すようなことはそもそも書けないし言えない状況にあるからだ。
 とくに、高齢者の視聴者が多いテレビのゴールデンタイムのバラエティ番組では、高齢タレントが必要とされる事情がある。バラエティ番組の出演者が若者ばかりになってしまったら、テレビ視聴層の大半を占める高齢者は「これは自分たちのための番組ではない」と感じて、その番組から離れてしまう。それを防ぐためには、バラエティ番組に一定数の「高齢タレント」を配置して、その人に高齢視聴者の代弁者になってもらうしかないのだ。
「昭和の頑固オヤジ」梅沢富美男
 昨今、このポジションで出世頭となっているのが梅沢富美男である。「梅沢富美男劇団」の座長を務める大衆演劇の大スターであり、「下町の玉三郎」の異名を取っている。
 だが、バラエティで見せるその素顔は、絵に描いたような「昭和の頑固オヤジ」そのものだ。発言内容も例えばこんな感じだ。
 「ハンバーガー屋で『40個』と注文したら、『こちらでお召し上がりですか?』と言われた。1人で食うわけねえだろ!」
 「コンビニでタバコを買ったら年齢確認のためのボタンを押してほしいと言われた。俺が未成年に見えるか!?」
 今どきなかなか聞けないほどのまっすぐな頑固オヤジ発言だ。さらに、彼は妻子持ちでありながら、現役で女遊びをしているとも公言している。
 芸能人の不倫に厳しい目線が向けられるこの時代に、梅沢だけが別の次元を生きているかのようだ。そんな彼が引っ張りだこになっているのは、若い世代中心のバラエティ番組に出てくれる高齢タレントが貴重な存在だからだ。
テレビに媚びず本音を語る江戸っ子肌
 梅沢が現在のように数多くの番組に出るようになったきっかけは「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ・日本テレビ系)にコメンテーターとして出演したことだ。初めて出演依頼があったとき、梅沢は「俺は中学しか出ていないから」と依頼を断っていたという。
 しかし、のちに思い直した。そのきっかけは、妻の母親や叔母の言動を思い出したことだった。元芸者で生粋の江戸っ子である彼女たちは、とにかく口が悪く容赦がない。子どもを殺す親のニュースを見ては「てめえが死ねよ、バカ野郎!」と悪態をつく。その様子を思い浮かべて、梅沢は「こういう人たちの代弁者になることはできるかもしれない」と考えた。
 「クレームが来たらいつでもクビにしてほしい」という条件をつけて、梅沢は「ミヤネ屋」に出ることにした。大衆演劇という確固たる基盤を持っている梅沢は、テレビ業界に対して媚びることがなかった。
 乱暴な口調で歯に衣着せぬ本音トークを展開する梅沢は、現代のテレビでは異色の存在として面白がられるようになった。同世代の人間には共感され、若い世代にはその「化石ぶり」が逆に珍重されるという現象も起きていた。
 さらに、梅沢には大衆演劇で培ってきたサービス精神があった。大衆演劇は、歌舞伎や能のような伝統芸能とは違う。どんな手を使ってでも目の前の観客を笑わせ、楽しませる必要がある。そんな梅沢は、バラエティ番組の現場でも視聴者を楽しませることに長けていた。場の空気を壊さず、求められたことは何でもやる。そんな梅沢の姿勢が評価され、彼はどんどんテレビの仕事を増やしていった。
 張本の存在もこれと同じだろう。むしろ、張本が出演する「サンデーモーニング」は、司会の関口宏をはじめとして高齢の出演者が多く、明らかに高齢の視聴者をターゲットにしている。張本の発言がしばしば話題になるのも、それだけ注目されていて影響力がある証拠だ。
高齢タレントは「必要悪」
 個人的には、テレビにそのようなタイプの高齢タレントが出演するのは一種の「必要悪」だと考えている。それで視聴率を取り、ビジネスが成り立っているのなら、外野から言えることは何もない。
 ただ、不勉強で不見識な老害タレントが、新しいことを学ぶのを拒否して、時代遅れの主張を繰り返している姿は、まともな感覚を持った社会人や、これからまともな感覚を持つべき子どもたちに対して、広い意味で有害であるのは間違いないだろう。
 放送事業者が守るべきルールを定めた放送法第4条では「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と定められている。張本を起用し続ける「サンデーモーニング」の制作スタッフは、自分たちはこのルールを守っていると胸を張れるのだろうか。
 すでにその大部分が老人向けメディアと化しているテレビにおいて、老害の種は尽きることはない。私たちにできるのは、どうしても我慢できないときにテレビを消すことだけだ。





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